■ムチウチとは?
■「むち打ち症」の治療
「むち打ち症」の治療は、受傷からの時間的経過により、急性期、亜急性期、慢性期に分けて行うのが一般的です。「むち打ち症」の70パーセントを占めるといわれる「頚椎捻挫」を中心に治療法を述べていきます。
急性期(受傷〜1ヶ月)
切り傷などの出血が止まり、傷口が塞がるまでの期間(組織が瘢痕化する期間)は3週間といわれていますが、他の外傷も同じです。
程度にもよりますが、ゆとりをもって受傷時から1ヶ月程度と考えられます。
頚部の安静と固定。
初期の安静は重要とされ、後遺症を左右するとも言われます。
入院については、頚椎捻挫には必要ないというのが一般的です。
ただ、神経根症状、知覚障害、麻痺などがはっきりしている場合は、急性期期間程度の入院が必要とされます。
ギプスやカラーなどで固定します。
固定期間が長くなると、筋肉の拘縮や萎縮などにより心理的にも良くないとされます。
亜急性期(1〜3ヶ月)
組織の瘢痕を経て周囲とほとんんど同じ柔軟性を取り戻し修復が終わるのに8週かかるといわれています。
約2ヶ月ですが、それに急性期に1ヶ月固定されると頚椎の可動が低下するので、その回復も含めて機能的に修復完了する期間を受傷後3ヶ月と見たものです。
それ以降は「慢性期」とされます。
亜急性期の治療は、運動、温熱、牽引といった物理療法が中心となります。
固定により弱化した頚部の筋肉を強化し、頚部の運動性の回復を図るものです。
運動療法は、自動運動や筋力強化により、頸の筋肉を伸ばしたり縮めたりすることや、固定により弱くなった筋肉を強化し、運動性の回復と血液の循環を改善するのが目的です。
温熱療法としては、ホットパック、赤外線、低周波等があります。
牽引は筋緊張が強い時は禁忌とされています。
慢性期(3ヶ月以降)
神経根型の場合は、脊髄の造影と椎間板造影などの諸検査をもとに手術療法も考えられます。
その他に後療法として、整骨、運動療法があります。