■ムチウチとは?
■「むち打ち症」とは?
1、「むち打ち症」とは
2、「むち打ち症」の症状
3、 交通事故による「むち打ち症」の起こり方
4、 さらに詳しく「むち打ち症」を知りたい方へ
1、「むち打ち症」
交通事故による外傷は、主に打ち身・捻挫・骨折・頭部外傷などがあります。
その中で、もっとも代表的な傷害で賠償上の問題を多く含むのが「むち打ち(損傷)症」です。
これは、正式な診断名ではなく俗称です。
診断名は通常は「外傷性頚部症候群」あるいは、軽いものでは「頚部捻挫」となります。
衝突時、首が前後にムチのようにしなることから、また、乗馬で馬の尻にムチを当てると馬が驚いて前に飛び出し、そのとき頭が後ろに放り出されてその後首の痛みが続くということからむち打ちと呼ばれるようになったようです。
2、「むち打ち症」の症状、主な症状例
「むち打ち症」の症状には個人差があり、事故状況や、被害者の体質・年齢などによっても症状が違ってきます。
事故直後は、脳震盪の症状として短時間の意識障害を起こすことがあります。
また、重症の場合は、脊髄の周りの腫れや内出血により手足が麻痺したり失禁したりすることがあり、その場合、進行の状況によっては手術の必要も考えられます。
頚部の損傷の部位や程度によって異なりますが、一般的に次のような症状が出てきます。
症状を大別すると次のようになります。
○頚部の捻挫を主とする症状
頚部の筋肉や靭帯、関節包の損傷によるものです。
脊髄に損傷がなく、強い自律神経失調症状やはっきりした神経根症状もみられない、主として頭痛、頚部の疼痛、頚項部筋肉の圧痛、頚部の運動制限を中心としたものです。
○神経根の障害を主とする症状
神経根に腫れや引き抜き損傷がおこると、それを支配している領域に症状がでます。
上位頚椎の場合は大後頭神経支配領域の放散痛及び神経の圧痛、下位の場合は首から肩、腕にかけての放散痛、しびれ感、上肢の筋力低下、筋萎縮、運動及び知覚障害などが起こります。
スパーリングテスト、ジャクソンテストなどと呼ばれる神経学的検査によって、他覚(客観的)所見や皮膚の知覚部位と一致する障害、腱反射の異常などで診断されます。
○髄液圧の低下による症状
2000年ごろから知られるようになった「低髄液圧症候群」といわれるもので、むち打ち症などの外傷により髄液が漏れ、髄液圧が低下することです。
頭痛、めまい、はきけ、集中力・思考力の低下、脱力感、視力障害など種々の症状がみられます。
○自律神経の障害を主とする症状
椎骨脳底動脈の血行不全により、その支配下の視床下部、脳幹部の血流減少により起こります。
首や肩の症状は強くなく、「頭痛、頭重、眼精疲労、耳鳴り、難聴、めまい、声のかすれ、記憶や集中力の低下」、内臓の症状として「食欲減退、消化不良、吐き気」などの胃腸障害がみられます。
○主な症状例
首、肩、頭部の痛み
首の痛みとその周辺(頭部、肩、腕、手など)の放散痛
吐き気、嘔吐
肩、腕、手などへのピリピリした神経痛
首の可動制限
症状が慢性化すると、首のこわばりも加わります。
3、交通事故による「むち打ち症」の起こり方
「むち打ち症」の起こり方は、大きく分けて正面衝突、側面衝突、追突によるものがあります。
人間の首の動きの正常範囲は、一般的に前後方向ともに60°程度とされています。
その運動範囲以上に屈めたり(屈曲)伸びたり(伸展)した場合、首の周辺の組織(軟部組織・・骨を囲んでいる靭帯など)が伸びたり切れたりしてむち打ちの症状がでるのです。
中でも、後方より衝突された「追突」によるものが、むち打ち症の全体の90%を占めるといわれています。
4、さらに詳しく「むち打ち症」を知りたい方へ
「むち打ち症」の分類
「むち打ち症」の検査法
一般的な「むち打ち症」の治療と予後
交通事故後遺症による「むち打ち症」